ニッサン テラノ 〜 愛すべき実用車
Maintenance Essence

購入のきっかけ

テラノは、元々はウチの奥さん用です。奥さんが通勤に使っています。

ウチの奥さんはMTもOKでして、助かっています。
「奥方が運転するので、泣く泣くATにしました。」
という話を良く聞きます。
ウチの奥さんは、初めて乗った実家の車が、10年落ちのスカイラインジャパン(もちろんMT。しかも重ステ!)という経歴の持ち主ですから、多少ハンドルが重かろうが、クラッチやアクセルが重かろうがちっとも気にならないようです。(義父はスカイライン党で、今はR33GTS−4のMT。世田谷なのにMTとは完全なMT党)
NISSAN D21 TERRANO - Pathfinder -

実は、私も4駆に憧れていて、安い中古車を欲しいと思っていました。1999年8月に買いました。
この車を買うとき、比較したのがランドクルーザープラドとハイラックスサーフです。

プラドは、あまりにもトラック的な乗り味でペケ。予算的に2400ccしか買えなかったので(高年式は3000cc)、あまりにもアンダーパワーでした。
サーフは、中古車屋を回って、50〜80万円ぐらいの車にも試乗しました。さすがトヨタ、全体の作りはすごく良く、欠点が感じられません。ただ、これまた予算的に2400ccディーゼルしか買えないので、アンダーパワーに感じました。この辺はプラドと同じです。(その後の型はプラド同様3000ccになっている)

でも、テラノにした決め手は、それまでの奥さんの車「サニー・カルフォルニア」とあまりにも内装が同じだったからです。同じ色のインパネやシート。内張も同じ生地です。インパネやスイッチ類も同じレイアウト、そしてドアの閉まる音(パシャン)さえも同じなのです。これには、夫婦揃って笑ってしまいました。これが購入の決め手、そうしてテラノに決まったのです。


中古車センターで、たしか64万のプライスが付いていたと思います。
「諸費用ぜーんぶこみで、50万円ぽっきりだったら、今日買っていく。」って言ったら、店の人が「う〜ん」と唸っていました。
「名変(名義変更)も、自分でする。室内の掃除も何もしなくていい。現状でいい。」と言うと、しばらくして「いいでしょう。」って言ってくれました。
その場ではんこ押して、郵便局行ってお金おろしてきました。

購入直後

購入直後に早速グリルガードを個人売買で手に入れ、そこには丸目2灯を装着しました。解体屋のゴルフから取ってきた、ボッシュのライトです。
レンズカットとリフレクター(反射板)の面積の大きさで、一番明るいライトと思っています。
お決まりのコース、「水でジャブジャブ洗い、バルブを覆う金具を取る(反射板に傷が付かないように注意深くノーズプライヤーでつぶして、バルブ交換穴から抜く)」でチューンナップして取り付けました。
評判の悪いグリルガードですが、あればちょっと安心です。ご当地、北海道の田舎では、シカとぶつかって死ぬ(シカもドライバーも)・・という事故もあります。

雪道の走破性は思った以上で、冬は4駆のありがたさを存分に感じています。
おおかたの状況で、特別な気遣い無しに夏と同じに乗れます。4駆が、こんなに良いとは思いませんでした。
夫婦揃って冬の外出は、ほぼ100%テラノになってしまいました。

トラブル(その1)

購入直後に気になったのが、マフラーからの黒煙。それと、エンジンが、ターボが効き出す前に「カチカチカチ」という事でした。カチカチの時黒煙が凄く、その後ターボが効くと突然力がモリモリ湧いてきて、黒煙も少なくなります。

始動直後のエンジンが冷えている時は、この現象は出ません。整備書を読むと、どうもEGR(排気ガス環流・エンジンから出た排気ガスの一部をもう一度吸気して燃焼させること。排ガス対策。)が作動している時、この不具合が出ているようです。
ニッサンの工場に修理に出したら、「こうすればいいよ」と、EGRコントロールの配線コネクターを抜かれました。それで、お金は取られませんでした。
つまり、EGRを一切作動しないようにしたのです。
すると、あら不思議。先ほどの「黒煙とカチカチ」は、全く出なくなりました。

EGRは燃費向上に貢献していると聞いていたので「こんなコトしたら、燃費が悪くならないかなあ?」と思ったのですが、よくよく考えたらEGRが燃費向上になるのは、ガソリンエンジン場合のようです。

ガソリンエンジンはスロットルでエンジン回転の制御をしています。ところがスロットルがあるということは、熱効率上不利になるそうです。スロットルがあることにより、空気の流れを絞っていることになります。
(スロットルロス=口をすぼめて息を吸うと力がいるように、スロットルが閉じられていると、スロットルが空気流量を制限して回転を調節することから生じる熱効率上の低下。EGRすることによって、(燃料増量無しで)スロットルが開くことになり、スロットルロスは少なくなる。)

ガソリンエンジンの燃費向上のワケは、EGRによって「スロットルロス」が少なくなるからだそうです。

ところが、ディーゼルの場合、スロットル自体が存在しません。(ガソリンエンジンは、アクセルを踏むとスロットルバルブが開き、空気流量が増えることで回転が上がる。対してディーゼルエンジンでは、アクセルを踏むと燃料の噴射量が増えて、エンジンの回転が上がる。)スロットルが無いので、EGRによる燃費向上は無いはずなのです。

そう考えて、今でもEGRは死んだままです。
地球環境のことを考えたら、EGRはするべきですが、当面、黒煙(PM)の害の方が深刻なので、そのままです。

ところで、なぜEGRが作動したらドバっと黒煙が出るか・・という原因なのですが、これはどうもニッサンの設計がまずく、長年使っているとEGR時の吸入空気通路にカーボンが固着し、EGR作動時の空気量が足りない為に生じるようです。
確かに、「距離を走ったニッサン車は、黒煙が凄い」というのは真実でして、煙幕を張ったローレルやセドリックを良く見ます。
その改善策、それもニッサンディーラーオススメが「EGR殺し」だったとは・・・
好意的に考えると、「さすがの大メーカーも、ここまでは予見できなかった」となるのでしょうね。

トラブル(その2)

それ以外のトラブルは、2000年の秋にオルタネーターが壊れました。ある日突然バッテリーが上がっていて、
(寒冷地仕様なのでバッテリーが2個ありますが2個とも死んでいました)
「おかしいなー、半ドアでルームランプでも点きっぱなしだったのかな?それにしても、ルームランプ一晩ぐらいで、バッテリーが完全に上がるのかな?」
と思って充電したのですが、次の日にまたもやバッテリー上がり。
「これは、オルタネーターのダイオードかな?」
と思って、以前乗っていて廃車にしたニッサンローレル(ディーゼル)のオルタネーターを移植しました。
そうして修理完了。ほぼ同じ部品で、取り付けできたから良かったです。同じニッサン車で良かった。

それから、2001年の1月の寒い朝、始動不能になりました。
いつものようにグロー(予熱)ランプが消え、グローリレーが「カチッ」と切れてからスターターを回しました。普段であれば、エンジンが1回転するかしないかのうちに、「ブルンブルン」と始動します。
トヨタやミツビシのボロエンジンと違って、ニッサンのディーゼルエンジンは、始動性は確かです。(マイナス20℃以下の寒い朝に、始動不能は、まずトヨタ、ミツビシ)
ところがこの日は、「キュルキュル」とスターターモーターだけが回ります。
スターターモーターは元気よく回ります。バッテリーは問題なし。
厳寒時のディーゼルは、燃料に水分が混じって氷結するトラブルを結構聞きます。
そこで、まずは、「燃料かな?」と思いました。
しかし、良く見ると、マフラーから白い煙が出ています。これは着火できなかった軽油のようです。
したがって、燃料は大丈夫みたいです。
その次に疑うのは、グロー(予熱)です。
もう一度最初から始動を試してみます。グローランプは間違いなく点灯し、消灯します。(消灯すれば、予熱完了の意です)
そしてスターターモーターを回します。スターターは元気がいい。マフラーから白煙です。

本当にグロープラグに電気が行っているのか?グローリレー(かなりの大電流が流れるので、ごついです)の接点は大丈夫か?
今度はこのあたりの点検です。

よく観察すると、グローランプがすぐ消えます。寒い朝だったら、もう少しグローランプが点灯する時間が長いはず。
グロープラグへの回路に、問題がある可能性があります。

グロープラグは各気筒に小さいプラグのようについています。テスターで測ると、グロープラグに12ボルトが来ていません。
これはグローリレーが不良に違いない。
コネクターで点検。
あれ、コネクターには来ている。
・・・・配線を伝ってみると・・・

それにしても、グローの配線は太いです。かなりの大電流を流している様子。
あっと、ここに違いない。途中のコネクターにエンジンオイルの滲みがかかって、銅線が腐食しています。
こうなったら、線と線を直接はんだ付けです。
線の被覆をむいて、銅線と銅線を直接はんだ付けしました。100円ライターのミニバーナー使用です。

修理完了で再び始動。今度はグローの時間が長いです。そしてスターターモーターを動かします。いつものように、あっけなく始動しました。
ヤッターです。

テラノの長所・短所

テラノの「気に入っているところ」「気に入らないところ」を列記してみました。

気に入っているところ

大きなタイヤは、雪道の走行性能の面で有利。大きければ、接地面積が大きいせいか、発進・停止時にかなり有利に感じる。
大雪の時も、前後にゆすってスタックから切り抜けます。(このテクは雪道ドライバー必須。ただしATでは無理)
写真はこの地方で珍しい大雪。この雪でも発進は全く問題なし。

扁平率が大きいので悪路での乗り心地が良い。(氷雪路は悪路と同じで、でこぼこがすごい。ウチの近所は住宅地にもかかわらず除雪が充分ではなく、冬はオフロード体験コースになります)

タイヤが重いが、それ以上に車体が重いので、相対的にバネ下重量が小さい。その結果乗り心地が良い。
ゴムブッシュが多用されていると思うが、ゴムがヘタっている感じがしない。(足まわりのばたつき感が少ない)
全体的に国産車のゴム部品は、ドイツ車に比べて耐久性があるように感じる。

この車高で、この大きさ重さで、この操縦性は合格点。アンダーが強いので、早めに切って道路から出さない工夫は必要(笑)
ブレーキは気合が入った作りだが、効きは標準。同じ時代のパジェロは、ギャランと同じブレーキだと噂されていた。坂で止まらなかったり、ローター(ブレーキディスク)が偏摩耗して困っている人も多かったようだ。
それに比べると、まあ合格点。

4輪駆動車の安定性。夏でも降雨量が多く道路に水たまりが出来る時は、4駆にしている。この場合、90km/hを過ぎたあたりから、ハイドロプレーニング現象(これは怖いでっせー)を気にしないといけないが、4駆にすると安定性が全然違う。
北海道は強い雨の日が少なく、雨の日滑ることがあまり理解されていないせいか、しばらく走ると必ず道路から落ちている車がある。(本当です)
まあ、皆さん雨の日でも結構とばすから、、(ちなみに、ハイドロプレーニングに入ったら、ただそのまま待った方がいいみたい。ハンドルが効かない恐怖の1〜2秒です。そのうちタイヤがわだちから出て、グリップします。今までのタイヤで、傘マークのユニロイヤルは、さすがに雨に強かったです)

直結4駆は、タイトコーナーブレーキング現象(舗装路で曲がり角になると止まってしまう現象)さえ理解できれば、非常にシンプルで良い。走破性も高く、雪道コーナーの挙動も単純で扱いやすい。(そのままでアンダーステア、アクセルオフでオーバーステアの動きがわかりやすく、操作しやすい)

ABSが無いが、直結4駆のため、氷雪路のブレーキは大変良く効く。(直結4駆はブレーキの前後配分が理想的になるとのこと)ABSは必要ない。姿勢が崩れたらいったんブレーキをゆるめ立て直す練習をすればいいこと。(ABSがない時代は、「衝突直前にブレーキをゆるめ、ハンドルで逃げる練習」をしたとのことです。BMWのHOW TO DRIVE SAFEのビデオで見ました)

ターボ付きディーゼルエンジン(TD27)。この2700ccディーゼルエンジンは、アクセルの反応が良い。
始動性は、夏季、厳寒時共に素晴らしく良い。1回転しないうちに始動する感じ。

後席の位置が後ろ寄りで、後席の足元がすごく広い。
それに後席の着座位置が思ったより高く、後席に座ると前席の乗員の頭越しに前方が見える感じである。閉塞感がない。

後席を折り畳むと、カーゴスペースが現れる。荷物を運ぶのに重宝している。多少汚れ物でも、マットを敷いて運べる。後席の下半分(お尻の下のクッション)はボルト4本で簡単に取り外せ、さらに長く大きな荷物が運べる。

リアゲートとリアガラスが別々に開閉できる。欲を言うなら、オープンのボタンがゲートに欲しい(ドイツ車のように)

RV車としては比較的軽量(1700kg)最近、より大きく重くなった車種と、軽量RV(Xトレイルやラブ4)の中間的存在となった。

着座位置が高いので、見晴らしが良い。市街地をゆっくり走るのなら、これが一番。
また、悪天候時、非常に助かる。(北海道は地吹雪と言って、強風で地表近くを雪が舞うことがある。この時、少しでも高い視点が視界がよい)

スクエアなスタイル。すごくかっこいい。この後のテラノがデザイン的に不評なのがよく理解できる。


気に入らないところ

エンジン
振動と音が凄い。ハンドルに振動が伝わり不快。それでも5分も乗っていると、慣れてしまう自分が可笑しい。しばらくテラノに乗って300DT(ベンツ)に乗ると、セルシオかと思ってしまう(笑)
同じディーゼルなのに、こうも違うとは。
思うに、4気筒で2700ccもあるなら、バランサー等の振動対策が当然あるべき。なのに無い。ニッサンはこの車を「乗用車」と考えていない証拠である。「トラック」の仲間と思っているのだろう。
ちなみに、ウチの奥さんはテラノに乗る自分を「トラック野郎」と呼ぶ。
(乗用車の4気筒で最高排気量はポルシェの3000cc。ポルシェによると、3000ccまでは4気筒で充分とのこと(笑)そのくせ、三菱からサイレントシャフトの特許を買って装着している)

冷間始動で、なかなか暖かくならないヒーター。
はっきり言って、どうにかしてほしいです。(どうにもならないけど)
ベンツのディーゼルは、マイナス10℃の朝、始動後1分で温風がでるのに、テラノは10分走ってもまだ寒い。
冷却水の取り回しに問題があると思う。
(サーモスタットはエンジンの出口制御。エンジンブロックの水路も大きすぎるのではないか)
設計者は、きっとヒーターのことを考えていない。

シートヒータやドアミラーの熱線など、寒冷地に本当に必要不可欠な装備が無い。(最近の車にはフロントガラス下に、雪溶かしの熱線が入っている。うらやましいな)

小回り効かない。機構上、ハンドルが切れないから、仕方ないのか、、

すごくローギヤード。5速100km/h走行で、3000回転。もう一つ上のギヤがあると助かる(笑)


このように、「気に入っているところ」「気に入らないところを」並べてみると、圧倒的に「気に入っているところ」が多いです。

電装系の故障はありましたが、どれも重大な故障ではなく、特にエンジン、ミッション、足まわりについてはしっかりしていて、不安を感じる兆しは全くありません。

わが家のただ唯一の国産車で、また一番新しい車でもあります。皮肉にも始動不能の経歴はこの車だけですが(笑)絶大な信頼感があり、特に冬道で
「エンコしたら凍死してしまう」
という状況であれば、まずは一番信頼できるテラノを選ぶでしょう。

派手でも何でもない。駆け抜ける歓びもスリーポインテッドスターも無い。テラノは、愛すべき実直な実用車で、私たち夫婦にとっては大切な家族でもあるのです。これからも、私はこの車を愛し続けると思います。

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