足まわり移植 E24 - No.29
E24 - No.28 E24 - No.30

635に乗ってみて、足が軟らかくグニャングニャンな事に気づきました。
元々ラグジュアリー路線で軟らかいのか、それともショックアブソーバー(ダンパー)が消耗し「抜けて」いるのか・・。

部品取り号のM535iから、ストラットごと(スプリングもショックもいっしょに)移植作戦を実行します。

好みとしては、M535iのセッティングは大好きです。やや固いスプリングに、ビルシュタインのショック。乗り心地と引き締まった感じが、絶妙のバランスだと思います。
また、純正(工場出庫時)でビルシュタインが付いているなんて、本当に凄いことだと思います。BMWの場合、純正装着の殆どはボーゲ製です。純正でビルシュタイン装着なんて、ごく限られたスポーツモデルにしか見られません。

ショックの動き方も、ビルシュタイン独特のフィーリングを感じます。路面のうねりをうまく収める感じが、たまらなく好きです。それに特筆できる事は、ビルシュタインの耐久性です。
以前、6万キロ走っている528e(E28)のショックをビルシュタインに交換しました。元々付いていたボーゲのショックを手で押すと、何の抵抗もなくスコスコ動きました。
5万キロというと、多くのショックが寿命を終える頃でしょう。しかし、ビルシュタインはまだまだ新品に近いと思います。10万キロを超えても、まだまだ使えます。
ということで、今回調達した部品は、10万キロ走ったM535iから取った部品です。(物持ちイイナ〜本当は予算の関係?)

M535iから、リアのストラットごと外してきました。
アンダーコートのシャーシブラックのせいか、真っ黒です。外す時、「本当にビルシュタインだろうか?」と不安になりました。
ドライバーで引っかいたら黄色の塗装が出てきました。間違いなくビルシュタインです。

分解してみます。一番上のナットは17mm。ゆるめようとするとロッドが共回りします。ロッドの先端を見るとつかむところがあったので、モンキーレンチでつかんでまわらないようにして17mmをゆるめます。

スプリングコンプレッサーは使いませんでした。17mmのナットがとれる瞬間ちょっとスプリングがはねるだけです。ビルシュタインならば、やっぱり黄色い塗装がいいです。ブレーキクリーナーを吹きかけ、ごしごしこするとシャーシブラックは落ちてきます。 Rear Strut from M535i

BILSTEIN for BMW ビルシュタインマークとBMWマークが仲良く並んでします。紛れもない純正でビルシュタイン装着の証です。

スプリングには部品番号が刻まれています。後期型528eやM535iなどは堅めのこのスプリングです。 Part Number

黒い塗料を落として、ショックを黄色くします。アッパーマウントを交換、再び組み立てました。体重をかけてショックを縮ませ17mmボルトをつけました。

さあ、いよいよ635に装着です。まずは635に付いていたストラットを外します。

Removing Rear Strut
1. ジャッキアップしタイヤを外す。リヤのストラットは下のボルトから先に外しました。22mmのボルトです。ボルトを取ると、車体内側にスポッと抜け・・るはずです。右側は問題なく抜けました。しかし、左側が抜けない!

以前解体屋でも、ストラット下端が外れなくて苦労しました。
解体屋のオヤジにSOSすると、ひたすら叩いて抜きました。
それを見習って、貫通ドライバーとかなづちでひたすら叩きます。
どうせこのショックは使わないから、側面も叩きます・・
with Hammer

After 30 minutes CRCを吹きつけ、しばらく待ってみます。少しずつ外れてきた時は、うれしかったです。30分ほど格闘して、やっと取れました。

2. ストラットの上は13mmのナット3個です。内張りは無いので、ちょうど好都合。5シリーズ(E28)よりトランクの高さがないので、やりづらいです。トランクに入って、手前2個はメガネレンチとギアレスレンチで取ります。

この写真は左。比較的やりやすいです。
Rear-Left Strut

Rear-Right 右は隙間が無く、平たい工具じゃないと苦労します。

今回役に立った車載工具(ヘイコ)とギアレスレンチです。
いつも言っていますが、ヘイコの車載工具は優れモノです。ギアレスレンチはストレートで買いました。
Useful Tools

問題は奥の1個。これは車内から取ります。
まずはシートを取ります。シートはシート下部にネジが2ヶ所隠れています。シートを上方に持ち上げれば、すぽっと取れます。
シートを外した後、ボディ鉄板の1ヶ所にちょうど穴が開いています。アスファルトの防音材で穴がふさがれています。マイナスドライバー等で軽く叩いたら穴が開きます。そこの下がちょうどナットになっています。

Removing Upper Nut 635はここに穴が開いていなかったので、今までショックの交換をしていないのかもしれません。
今回は写真のようにゆるめましたが、上のヘッドレストを取ればもっと楽にナットが取れるようです。

このナットが取れた瞬間「ガッシャーン」とストラットがそのまま下に落ちてしまいますので、落ちないように下部を支えるか、もう一度下部をさし込んでいるといいでしょう。

3. ストラットを並べてみると、すごいことを発見しました。
な、な、ナント、スプリングが破断しています。どうしてこういうことになるのでしょうか?車検前から「ギコギコ」なっていた原因が分かりました。
写真は破断していたスプリングと、これからつける予定のストラットです。
(残念ながらもう1ヶ所ギコギコいっているところがあり、ギコギコ音は結局無くなりませんでした・・涙)
Broken Spring

分解して、ショックとスプリングに分けます。
ボーゲのショックはBMWのマークも入っていて、全くの純正品です。分解して体重をかけてみると、簡単に縮みます。消耗してヌケています。これはショック交換でだいぶん変わるのではないでしょうか。期待が持てます。

4. 車体に取りつけます。まずは上のナットからしめました。タイヤハウスから穴の位置を良く見てストラットを押し上げ、穴にボルトがうまくはまるようまさぐります。
ガコッとはまったら、あわてずストラット下端をトレーリングアームの上に適当に載せ、すばやくトランク内です。そーっと、ストラットが落ちないように念じながら13mmナットをつけます。ナットがちょっとでもネジ山にかかったら、安心です。これで、ストラットが落ちることはありません。

5. 次にストラット下端の固定です。トレーリングアームが上がっているので、トレーリングアームをグイと押し下げます。そうしてストラット下端を納めます。22mmのボルトをしめます。

6. もう一度上の13mmナット3個、下の22mmボルトが締まっているのを確認してリヤは終了です。

Converted Rear Strut これで、リアは完了。

続いてフロントストラットの交換です。

1. ジャッキアップしタイヤを外す。

2. ポイントはタイヤの向きです。右は右いっぱい、左は左いっぱいにハンドルを切ってハンドルロックすると、作業しやすいようです。

3. ブレーキキャリパーを外します。19mmのボルト2本です。
う〜ん、ゆるみません。堅すぎる。こんな時、私はいつもメガネレンチと鉄パイプでゆるめます。
Removing Brake Caliper

Pushing Piston into Caliper
4. ブレーキローター(ディスク)が、すごく減っています。そのためブレーキパッドが引っかかってキャリパーが外せません。特大マイナスドライバーでコジって、キャリパーのピストンを引っ込ませます。そうしてキャリパーが取れました。ブレーキホースが引っぱられて負担がかからないように、台の上に置きます。

左ではブレーキパッドのセンサー(プレーキパッドがすり減ったら警告灯が点くためのもの)があるので、コネクターを外します。ブレーキホースとストラットが留まっている部分は、ひっぱれば取れます。

6角レンチでABSのセンサーも外します。砂鉄のようなものが、びっちり付着していました。指で指しているのはすり減ったローター。一番外側はブレーキパッドが接触しないので摩耗しません。そこで段付きになって、ふちのようになってしまいます。 ABS Wheel Speed Sensor

Worn Brake Pad ブレーキパッドもご覧の通り。かなり減っています。

5. ストラットとスタビライザーバーがリンクを介して接続されているので、そこのボルトを外します。17mmです。裏から17mmスパナをあて、共回りしないようにしました。

6. じゃまものがなくなり、あとはストラットの上と下のボルトだけです。下から先です。17mmのボルト3本。難しくありません。そして上は13mmのナット3個。
これでストラットが外れますが、下が外れづらかったら、ストラット下部のナックルアームを足で踏み下げます。ゴトッとストラットが外れます。ちょっと重いです。
写真のようにナックルアームをモンキーレンチでつかみ、足で押し下げる方法もお勧めです。
Pull Out the Bottom of Strut

Front Strut Removed
7. ストラットが外れました。

外したストラットを見ます。ショックのロッド(スプリングの隙間から見えますね)が細く、ビルシュタインではないことが確認できます。 Shock Absorber Cartridge

写真下はビルシュタインのショック(カートリッジ)です。これがストラットの内部に収まっています。ロッドが太いです。
ビルシュタインは倒立構造(ピストンが上にある)なので、ロッドがすなわちピストンで太いワケです。
なぜそのような構造になっているかというと、色々メリットがあるからです。
放熱性が良くなる(ロッドの部分がピストンで発熱するから)、バネ下重量の軽減。スバルの設計者が言っていたのは「サスペンションの横剛性が確保できる」ということでした。(マクファーソンストラット形式は、構造上横から力を受けることになり、ロッドが細い部分がウイークポイントです)

ビルシュタインの2本のショックは、上がM535iの純正部品であるビルシュタイン、下がアフターマーケット品(日本での輸入代理店は阿部商会)です。
純正はショートストロークなのが分かります。

8. 今度は組みつけです。M535iのストラットをそのまま組みつけます。取り外しと逆の手順です。

まずストラットを車体に取りつけます。上の13mmのナットから。
ストラット装着はもう何回目でしょうか。少し慣れてきました。
深呼吸して・・・せーの・・ストラットを持ち上げ、穴にネジを通します。
アッパーサポートがくるくる回転するので、うまく穴にネジ山を入れるのがコツです。アッパーサポートの切り欠きマークは車体内側です。

うっつ・・・息を止めて、素早く片手でナットをはめます。1つでもナットをはめたら、ストラットが落ちてこないのです。ようやくナットをつけました。

9. 上を仮止めして、次は下です。ナックルアームの上にストラットを押し込むのがちょっと骨です。しかしストラットが短いせいか、すんなりと押し込めました。
ガタガタゆすると正規の場所に落ち着いていきます。下から17mmのボルト3本をしめます。

10. スタビライザーリンクのボールジョイント、ブレーキキャリパーをつけます。タイヤをつけて、ジャッキからおろします。

さあ、試乗に出発!

結果は、う〜ん満足。ショックが踏ん張るので、ステアリングの反応もクイックになりました。
固すぎず軟らかすぎず、結構乗り心地もいい。M535iより車重がある分軟らかくなっているのでしょうが、なかなかのフィーリングです。
車高も丁度いいくらいに落ちました。
M535iの足に再び惚れ直しました。
E24 - No.28 E24 - No.30
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