謎のOリング Type44 - No.17
Type44 - No.16 Type44 - No.18

今回のお題は「謎のリング(オーリング)」です。

何が謎なのか?
入手方法、サイズ、そもそもなぜこの場所にリングが???
全てが謎なのです。

ということで、今回の話はリング入手の奮闘記です。というより「腹立ち日記」になってしまいました。結局のところ、どうにかそれらしきリングを入手し修理完了としましたが、リングに振り回された1週間でした
このような、ささいな部品を個人で入手するには壁が存在します。田舎に住んでいるならなおさらのことです。
それではそのてんまつをご紹介します。

まずは普通にディーラーに注文です。ここでイヤな予感が・・
パーツリストで見ると、リングの部品番号が記載されていません。なぜでしょうか?
案の定、ディーラーでは「リングだけの部品は出ません」と言われました。
ということは、同じサイズの部品を探して購入するしか方法がなくなったワケです。


「腹立ち日記 何を考えているのだ!ボーゲ編」

その1
手元にあるV8のリアショックは、4本中4本とも油漏れです。今回修理している「本命号」の左は完璧なオイル漏れで、右はにじみ程度。
ちょっとひどすぎませんか?
古くなったから・・というわけでも無さそうです。点検記録簿を見ると、このクルマは新車時にも油漏れを起こし、クレームでショックを交換しています。
これはリングの選定が悪いのか、そもそもこの構造に問題があるのか。

これは結局、ドイツ人のチョンボだと思います。設計者であるならば「この油圧で」「この間隔(クリアランス)で」どのサイズのリングが必要かわかっているはずです。それなのに「油漏れは標準装備」と言われるのは、設計がタコなのか工作精度が悪いのか、はたまたここにリングを使うのが間違っているのか・・・

その2
まあ、油漏れするのはいいとして、だったら新品のリングを供給すべきです。どうしてこの部品だけ注文できないのでしょうか。
それとも、ショックは「分解修理なぞみみっちいことをしないで、V8オーナーなら潔く新品に交換しろ」ということでしょうか。
「V8は貧乏人が乗るようにできていない」と言われれば、返す言葉がありません。
そもそもV8のオーナーはショック1本をポンと買ってしまう人ばかりで、私みたいな貧乏人はV8オーナーとして想定されていないのでしょうか。・・・いかんいかん、どうもひがみっぽくなってしまいました。

それにしても、このボーゲのレベライザは、どうしてこのように軸からオイルを供給するという造りなのでしょうか。
ボーゲはベンツにもBMWにも純正部品を供給しています。同じ構造だったら、そちらの純正部品として部品番号がわかるかもしれない(注文できるかもしれない)と思ってパーツリストを見てみました。

しかし・・
レベライザ車は数多くあれど、同じ構造のレベライザはありません。
BMW、ベンツ、A8を見てもショックのシリンダー部分に直接作動油を送り込むシステムです。
V8(タイプ44の100、200にも同様のレベライザ車があるようです)が、「ショック軸を通して作動油を送り込む」という仕組みを採用した理由がわかりません。メリットがあるのでしょうか。

私の予想としては、

独創的なオイル供給方法のショックを作ったのはいいが、オイル漏れに悩まされ(構造的欠陥)、以後廃版となった。

これが真実だと思うのですが、どうでしょう?


「腹立ち日記 何を考えているのだ!某機械店」

リングを探しに街にとび出しました。まずは専門店(っぽい店構え)の某機械店。網走では結構名の知れた店ですが、いい思い出がありません。ポジドライブのドライバーを探していたのですが、オニーチャンいわく「社長に聞いたら、社長も知らないって言っている」
トルクスのことを聞いても「???」という感じ。
で、その時は「もう2度と行くか!!」と思ったのですが、また行ってしまいました(笑)
だって、ここしか店がないもん。やっぱり田舎は悲しいです。

で、1回目の来店時は、オニーチャンがリングを倉庫に持って行き、「ぴったり合う部品はない」と言われ、意気消沈して帰りました。

ところが、こういう時にたよりになるのがネットです。いつも遊びに行くV8掲示板で、リング取扱会社ページを教えてくれた方がいました。

材質がゴムなので、正確なサイズがわかりません。それでも慎重に何度か測って、寸法を書き出します。

さて、再び機械店です。
寸法の合いそうなリングを寸法表の中からピックアップして、再び機械店に電話します。「注文できるか?」とオニーチャンに聞くと、「P番(という規格)以外は、注文したことがない」とか、もごもご言っています。
突然、頼りなさそうなオニーちゃんから妙に威勢がいいおばちゃんに電話がかわり「ウチは個人向けに商売やっていない」など言い出すのです。
「それなら店頭に大きく書いとけばいいのに」と思いつつも、それでも私はリングが必要なので、仕方がないので適合するかどうかわからないP番のリングだけでも頼み込んで注文します。まったく、どっちが客だかわかりません。

リング代金の他に送料(取り寄せ料)として千円も取られました。まったくこのO隅機械店、やってくれます。

どうしてこういうことになるのでしょうかね。
田舎なので競争というものがありません。それでも商売を続けてこれるのでしょうね。プロとしてこれで飯を食っているという意地を見せてほしいものです。
これは聞いた話ですが「東急ハンズの店員は『わかりません』とは絶対に言わない。わからなくても『調べてみましょう』と言ってくれる」ということです。確かに東急ハンズは個人向けのお店、それも百貨店なので、個人向けのサービスが徹底しているというのはわかります。
しかし、問題はその部分ではないです。仕事に関してわからない部分(言葉を変えるとある意味、面倒な用件)がある場合、わからないことを突きとめようという気持ちがほしいものです。

でも、この気持ちはプロよりマニア(好事家)の方が上でしょうか。確かにこのHP自体、マニアがプロに挑戦状をたたきつけている感がありますが(笑)

さて、話は変わりますが、捨てる神あれば拾う神もあり・・とはよくいったものです。

次に打診したのは自動車部品屋さんです。街の部品商とでも言う所でしょうか。
ここにFAXを送り注文できるか聞いてみました。

するとここはO隅機械店とうってかわって良い感触。「品番さえ指定してもらえば、注文できますよ」とのこと。
やっぱりこれがプロだよなあ。

ここの店は以前、ブレーキクリーナーの液体も探して取り寄せてくれました。シュアーショットに使うために探していたのです。この時も、担当の人が「あれ?わかんないなあ?でも、よーし、いっちょ探したろじゃん!」という気持ちが伝わってきました。

そうして、無事に届いたリング。もちろん、送料などという余計な金額は請求されません。

「素人相手にもうけの少ない商売は手間ばかりかかってやってられない」という意見も尊重しますが、「お客さんが喜んでくれるから、一つ勉強のつもりで調べてみるか」という発想の人に出会うととてもうれしいし「プロだなあ」と感服するわけです。

リングのサイズはピッタリではないけど、どうにか組み上げ修理完了としました。


使ったリングの品番を下記に記します。

AN6227(JIS W 1516) -10 φ2.62×12.37
または
AS568-112(ARP568) φ2.62×12.37
もう一つのサイズは
AN6227(JIS W 1516) -8 φ2.62×9.19
または
AS568-110(ARP568) φ2.62×9.19

となります。

修理完了して、「オイル漏れは無いか??」としばらく注意深く観察しました。やはり、「にじみ」はありますが、「漏れ」まではいきません。
現在(2003年12月。修理から5ヶ月)オイルのにじみ部分は、ホコリで黒くなっていますが、ショックの青色は確認できます。
ピッタリのサイズのリングが入手できない現状では、ベターな整備ではないでしょうか。

Type44 - No.16 Type44 - No.18
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