前足リフレッシュ(2) Type44 - No.24
Type44 - No.23 Type44 - No.25

さて次はストラットを分解し、ショックを交換します。

まずはスプリングコンプレッサーでスプリングを縮めて、アッパーのナットを取ります。そうすれば分解できます。

ストラット一番上のアッパーマウントインシュレーターは、なんと動かして調整できる構造です。これを動かすとキャンバーが変化します。

下から見たところです。


一番気がかりだったショックの消耗度検査です。手で押したら簡単に動きます。こりゃ、完全に「抜けて」います。ショック交換で改善される可能性大です。

ストラットを万力に固定し、パイプレンチでロックナットをゆるめます。かなり硬く締まっていました。

ロックナットがゆるんだら、ショックは簡単に引き出せます。中に入っていたのはボーゲ社製でした。純正はボーゲ製なんですね。

純正部品のボーゲ社製とビルシュタインを並べてみます。一目瞭然、ビルシュタインはシャフトが太いです。

シャフトが太いわけは・・・ビルシュタインは構造上、ショックを逆さまに出来るのです。(倒立構造)シャフトに見えるところが、実はショック本体なのです。で、ナゼ逆さまにしているのかというと、逆さにするメリットがあるからです。それは放熱を良くすることと、横剛性の確保です。ストラット形式のサスペンションは横にたわむ力が加わり、細いシャフトの場合サスペンション自体がたわんでしまうそうです。横剛性が求められないリアショックは倒立構造ではありません。

ビルシュタインのショックをストラットのシェルケースに差し入れ、ロックリング(リングナット)を締めつけます。ゆるめたときと逆に、今度はパイプレンチでしっかりと締めつけます。

予定通りうまく装着できました。良かったです。写真のようなリングナットを締めるビルシュタイン専用工具もありますが、強く締めつけることが出来ないのでパイプレンチがお勧めです。

ロワアームももちろん交換です。新旧部品をならべます。立派な(笑)社外品です。

ロワアームとスタビライザー間のゴムブッシュも交換です。

ストラットを再び組み立てます。アッパーのインシュレーター(ゴム製)はそれほどつぶれたり変形していませんでしたが交換です。(この部品は高かった)
プラスチック製のベアリングも健在でしたが交換です。ストラット形式の場合、ハンドルを切るとショック軸を中心に前輪の向きが変わります。このベアリングは大切な役目をしているというワケです。

組み立てたストラットとロワアームです。この後、このままじゃ作業がうまくいかず、もう一度ロワアームを取り外しました。

さあいよいよ組み立て最大の関門に突入です。それはストラットの取り付けです。ストラットを持ち上げなければなりませんから、力仕事です。
まずはストラット頂部にナットを準備します。
次に呼吸を整え「せーの」でストラットを持ち上げます。ストラット頂部の穴にボルトが通ったら素早く片手で保持し、ナットをかけます。ナットは一つでもいいのです。そうすればストラットは落ちてきませんから。
息を整え、ストラット頂部のナット3個を仮留めしたら、一息つけます。クルマいじりはスポーツです。

一番心配だったドライブシャフトのスプラインは、本当にあっけなく挿入できました。ぐっと押し付け、長いセンターボルトを締めこんでいくと何の苦労もなく入っていきます。これは凄い。アウディ好きだぞ。
何でBMWはこういう構造になっていないのだ!あのBMWでの苦労は一体何だったのでしょうか??アウディ賢い!偉い!BMWタコです。

最後はロワアームの取り付けです。車体側を取り付け、スタビライザー後端も締めつけます。最後は写真のようにスタビライザーを押し下げるとロワアームも下がるところで、上手にボールジョイント部がストラット下端に刺さるようにします。助手を呼び、鉄パイプの端に載せ、ゆっくり上げさせました。
まずはストラットの下端の穴をボールジョイントに導き、少しずつ上げて固定ボルトの穴(溝)を合わせるのがコツです。

ブレーキキャリパーを元通りに装着しているところです。

ローターを付ければ、もう一息です。

最後はタイロットエンドの交換です。届いた部品は社外品です。


交換して締めつけたところです。ハンドルをいっぱいに切った方が作業しやすいです。今回の修理完了です。

さて、今回のまとめと感想です。

(その1) V8のウイークポイント発見。フロントからのゴトゴト音はロワーアームの車体側取り付けでした。完全にゴムブッシュが破断しておりました。おーこわ・・です。フロント荷重が大きいですからね。
(その2) アッパーのインシュレーター(エンジンルームから見えるフロントサスペンションの一番上、ゴム製のクッション材)は凝った造りでした。よく見ると車高調みたいに、位置が微調整できます。キャンバーの調整ができる構造にびっくり。
(その3) A6・100用のビルシュタイン・ダンパーが装着できて一安心。「うまく合わなかったらどうしよう」と心配しておりました。純正部品はボーゲ社製のカートリッジタイプでした。手で押したら、たいした抵抗もなく動きます。「抜けて」おりましたので、乗り味が激変する可能性大です。楽しみです。
(その4) もう一つ心配したこと。組み立ての際、ドライブシャフトのスプライン部(ギザギザ)がうまく挿入できるか心配でした。BMWの時は本当に苦労しましたから。ところがすんなり入ったのです。その他、特に苦労することもなく、おおむね整備しやすい造りでした。後からムリクリ作ったBMWの4駆と比べたら、アウディは理にかなっているし、整備上の配慮もあります。
それでも一人でストラットを持ち上げて片手で保持し、息を止めて一番上のネジを止めたときには、かなりつらかったです。

ショックとロワアーム交換でどのようにリフレッシュされたか、早く乗って確かめたいところです。

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