あまく危険な香り Type44 - No.31
Type44 - No.30 Type44 - No.32

V8は少しずつ手を加え、なかなかいい乗り味に近づいてきました。
自作スポーツサスペンション(笑)に、ドイツ車独特のダンピングが利いた乗り味。
アクセルを踏み込めば6000回転以上のレブリミットまでエンジンは回り、徳大寺巨匠をして「フェラーリのエンジンのような回り方をする」というV8を楽しんでいました。
しかし気になることもあります。札幌からの帰り道、一瞬だけかすかに感じました。「ん?甘ーい香りがする。これは危険な香り。クーラントの匂いだっ!!」
走行後エンジンルームを開けてもこの匂いはしません。室内だけで香ります。こうなると考えられるのは、室内でのクーラント漏れです。
クーラント(冷却水)を室内まで導くのは、もちろん暖房(ヒーター)のためです。
ヒーター近辺のホース、接続、あるいはヒーターコア(熱交換コイル)からクーラントが漏れている・・というシグナルをクルマが送ってきます。

と、気にしつつも今日まで来ました。そして、とうとうついに・・・

今日はひとっ走り80kmぐらいを走った後で、何とはなしに運転席に座ろうとしたら・・アクセルペダル近辺に緑色の液体が・・ガーン!やはりクーラント漏れでした。

来ました来ました。お待ちかねのトラブルです。ヒーター近辺のホースかヒーターコアの破損ということは容易に想像がつきます。修理はそれほど難しくないはずです。問題はと〜っても奥まった場所にあることです。さっそく自宅に帰り着くやいなや、ダッシュボード分解に着手しました。

まずは運転席下のカバーからです。写真の部分のネジで下とサイドのカバーを取り去ります。


カバーを取り去った様子です。

センターコンソールのカーペットは簡単に外れます。クーラントがかかっているので水洗いをしました。


エアコンのダクトが見えてきたので、取り外します。


足元を照らすランプがついているので、ランプのレンズを外す感じに傾ければ、配線が抜き取りやすくなります。

ここまでやったら今度は助手席です。分厚いカーペットを外すとここにも漏れたクーラントがたまっていました。

まずはグローブボックスのかげの部分に隠れているネジを外します。4mmのヘキサゴンレンチ(6角)が必要です。
センターコンソール側に1ヶ所。

ドア側のカバーはここで外します。

グローブボックスはなかなか厄介です。4ヶ所のネジが両端にくっついてあるのですが、奥の2個はアクセスがしづらく、ネジがゆるんで指先で動かせるようになったら、グローブボックスをガタガタゆすりながらゆるめます。こうするとかたいと思っていたネジがじつはゆるんでいて、指の力で回せたりします。


グローブボックスを外した後の助手席側です。
床近くのコネクターはダイアグノーシス(自己診断機能)用と書いてありました。

運転席と同じように、ダクトと側面のカーペットを外します。


カーペットは後ろの方に固定ネジがあるので、シートを後退させてゆるめます。

ヒーターユニットは見えてきたのですが、様子が良く分からないのでセンターコンソールも外すことにしました。
まずはカセットデッキです。

両端に穴があるタイプです。確か友人のマツダ車もこの穴がありました。専用工具があるらしいのですが、写真のように精密ドライバーの軸を差し込み、1ヶ所ずつロックを外し(ロックを外すと少し手前に引き出せます)4ヶ所すべて外したら一気に引っぱる方法でOKでした。

カセットデッキ本体を引き出し、まずは裏面のコネクターやアンテナ線、CDのライン入力線を抜いて本体を取り去りました。

シフトまわりのウォールナット(木目)は、モードセレクターのツマミを引っぱり抜いた後、前方にずらします。

センターコンソールでびっくりしたのはハンドブレーキの「にぎり」の部分です。引っぱっただけで抜けました。

モードセレクターのスイッチ部(白いプラスチック部品)は金具で固定されていましたが、簡単に取れます。

スイッチに付いているコネクターも、ちょっとかたいですが多少ゆするようにすれば取れます。ATはZF社製なので、このあたりはBMWと全く同じ造りです。

ずらりと並んでいるスイッチは裏から押しだし、抜けたところでスイッチとコネクターを切り離します。手に持っているのはヘッドライトの光軸調整用です。ヘッドライトの角度はバキューム(空気圧)で調整しているので、配管が2本来ています。

ちょっと難しかったのがオートエアコン・ユニット裏のコネクターです。プラスチック製のコネクターですが、コネクターのロック原理はボッシュのコンピュータータイプです。片側をひっかけ、もう片方を押し込むとカチッとロックされるタイプです。指で押している茶色のコネクターがそれですが、助手席側の突起を指で押し込み(そうするとロックが外れます)引っぱってもなかなか取り外すことが出来ませんでした。ただただかたくはまっていました。

センターコンソールの照明とリアシート・ヒーターの配線は、このごついコネクターです。これも切り離します。

こうしてセンターコンソールは浮き上がってきました。

前方の隙間からヒーターユニットを観察すれば、本当に奥まったところにあります。室内の最前方というか、もうこれは完全にエンジンルーム側です。

ということで、次回はエンジンルーム側からのアクセスです。
後からわかったことですが、ヒーターユニット交換はセンターコンソールは外す必要はありませんでした。(涙)

それより、ヒーターユニット(ヒーターコア・熱交換コイル)って、パンクするものでしょうか?そんなに耐久性が無い物でしょうか??経年変化で「古くなったからコアの部分から漏れるようになった」とは信じられない話です。でも、以前ゴルフオーナーが「新車から4年目なのにヒーターコアがいかれた」と言っていた記憶があります。ベンツやBMWでは聞いたことがないものの、VWアウディではあるのかもしれません。

そういえば以前の愛車、日産ローレルでヒーターコアの破損がありました。原因は簡単、凍らせたことです。秋にラジエーター関係のメンテナンスをし、その場しのぎに水を入れました。「まだまだ寒くないから凍らないよな」と思っていたのが裏目に出ました。
11月のはじめにすごく寒い日があり、後から考えるとこの日にヒーターコアが凍結して破裂したようです。それもごく微細な亀裂。
その後、冬本番にむけてクーラント注入をすると、においがするようになったのです。点検して目で見ても漏れている部分は発見できません。しかし、近所の温泉の薬湯風呂のようなにおいがします。
間違いなくクーラントが漏れていることを物語っていました。この時は、解体車からヒーターコアを移植し、めでたく修理完了。以後、そのにおいは全くしなくなりました。

今回の場合、「漏れの原因はどこにあるのか」というのが最大の関心事です。とにかく漏れる部分を見ないことにはどうにも判断はできません。

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