ヒーターユニット取り外し Type44 - No.32
Type44 - No.31 Type44 - No.33

ヒーターユニットを取るための修行(?)第二弾です。

今度はエンジンルーム側、正確に言うとエンジンルーム後端の隔壁から後部です。

まずは上のフチに付いているゴムのモールを外します。引っぱれば取れます。

ワイパーアームを固定しているボルトは、このメクラ蓋の下です。

メクラ蓋を取り去れば、13mmのナットが顔を出します。ナットを外し、ワイパーアームは起こして多少ゆすれば外れます。

役目がわからないゴム製の部品も取ります。

クリップの部分をマイナスドライバーでこじって、樹脂製のカバーを外していきます。

外れたところです。

ほほ〜う、意外な構造にびっくりです。助手席側の大きな箱がクーリングユニット(エバポレーター)で、まん中がファン(送風機)のようです。まずは冷やした空気を取り入れてファンで押し込むのですね。ファンユニットからの発熱は問題無いのでしょうかね?

外した部品です。季節外れの落ち葉もそう(笑)
大量に中にたまっていました。

改めてエンジンルーム側からの眺めです。確かに除湿暖房が出来るエアコンですが、レイアウトが不合理な気がします。V8って元はと言えば、(ヨーロッパでは)冷房が当たり前ではない時代の44ボディですからね。
特にエアコン配管の長さが気になります。

やっぱり空調は日本車ですね。日本車の場合は助手席左はじがファンブロワー、助手席足上がクーリングユニット、そのまま風は右に流れセンターコンソール中央がヒーターユニットで、ここで温度調節をして風の配分をします。空調先進のアメ車をお手本にしていると思います。

さて、気を取り直してこの複雑怪奇なシステムの解明・修理です。
この中央の大きな物体がどうもファンブロワーのようです。写真では赤いドライバーで金属製のベルトをゆるめていますが、このベルトでユニットが固定されているようです。

ヒーターホースをたどると、エンジン後部からこのユニットに入っています。ゴムホースはインレット(往路)とリターン(還路)の2本です。

やはり、このユニットがファンブロワーとヒーターユニット(ヒーターコア)一体となった部品のようです。しかもどう考えても、このユニットはこの場所から上に引き抜き、取り外す構造のようです。こりゃ、おおごとです。

そうなれば、まずは周辺を見回して、じゃまになるワイパーを外す事にします。ワイパーユニットは10mmのネジ3本で簡単に外れます。写真は中央部のスタッドボルト(木ネジ)です。アクセスしづらいので、ユニバーサルジョイント(首振り)使用です。

写真中央のコネクターを引き抜けば、ワイパーユニットは外れます。

取り外したワイパーユニットです。とーってもシンプル。

ヒーターユニット周辺はゴミ・ほこり・落ち葉がたまっております。

取りやすくするために、エアコン配管固定ボルトをゆるめ、配管を少し持ち上げます。

これはヒーター配管(クーラント循環)の途中にあるバルブです。暖房の必要がない場合は、このバルブは閉まっています。バキューム(空気圧)で作動する構造です。

ヒーターのゴム配管はタイラップで固定されています。6mmのボルトをゆるめ、ヒーターのゴム配管をゆるめます。管とゴム管が固着しているので、隙間にドライバーを差し込むなどして、固着をはがすのがポイントです。先がぐっと曲がっているドライバーのような特殊工具もあるようですね。このように狭いところでは欲しくなります。

室内側は、このバキュームホース用のコネクターを外します。バキュームホース用のコネクターって初めて見ました。空気が漏れないように完全密着です。ヒーターユニットのエアフラップ開閉はすべてバキュームソレノイド作動でまかなっているようです。

さあ、準備は整いました。いよいよヒーターユニットをまっすぐ上に抜き取るのですが、ネジが見あたらないのです。

どこかにネジがあるはず。でも、室内側にもどこにもない??こういう時、ベテランメカニックに聞けば即座にアドバイスくれるのですが、そういう人に巡り会うのはまれなことです。
わらにもすがる思いであるVW・アウディ専門のお店に電話して聞いてみました。

するとラッキーラッキー大ラッキーでした。
電話に出た方はベテランメカニックという感じ。こちらの説明にまるで打てば響くように答えてくださいました。

「う〜ん、ウチでも3、4台やったけど、結構大変だよ」
「素人の方は難しいかもしれないね」
「ネジはないよ。でも、接着剤でしっかり固定されているから、なかなか大変だよ。」
「取り付けた後も固定が不完全だと水が入ってくる。水ぬきの穴の清掃も忘れずに」
「V8でやったのは、全部コアからの水漏れだなあ」
 (これはV8のウイークポイントかもしれませんね)
「新しい部品はあるの?」
 (部品取り号があるんです)
「最初にそっちから部品を取って、慣れたところでやってみた方がいいんじゃないかな」

と、アドバイスももらいました。

このように、まるでその車が目の前にあるように話せる有能なメカニックに出会えたのは本当に幸運でした。しかもこのような人は、今やディーラーには本当にいなくなっているのです。

ネジがないとなれば、あとは思い切って力を入れるだけです。どうにかこうにかコジって引っぱったり、最後はエンジンルームのV8カバーに乗って、引っ張り上げました。いやいや、聞いた通りなかなかの難物でした。
そうして今度は本命号。ブレーキクリーナーのスプレーを接着部に吹きかける作戦が功を奏したかびっくりするぐらい簡単に外れました。

ポイントは2点。まずはクーリングユニットとヒーターユニットをつなぐダクトはヒーターユニット側に押し込んでしまいます。こうすればじゃまになりません。

次に、手を焼く接着剤対策です。ヒーターユニットと車体との間に、すき間をふさぐスポンジがあります。これが接着剤でべとついています。ブレーキクリーンを盛大に吹き付け、手早くヒーターユニットを長い棒でコジって浮かします。


上の方に持ち上げる途中のヒーターユニットです。

ひと抱えあるのですが、そんなに重くはないです。

左側にある白い部分からコードが出ています。開けてみると、ステッピングモーターのようです。エアミックスダンパー(フラップ)を動かしているのでしょう。

冷却水漏れをしていた方はヒビが入り、ヒーターコアを固定しているシーラントも流れ出したような形跡がありました。バキバキとプラスチックを折ってヒーターコアを見てみました。サイドタンクが破損して水漏れの跡があります。汚いです。
こうして見ると、ヒーターコアだけの交換は出来ないのですね。部品交換は高くつきそうです。


部品取り号のヒーターユニットとならべてみます。部品取り号のヒーターユニットをそのまま使うことにしました。

ブロワーファンが正常に動くか点検です。バッテリーを直接つないで動作確認します。力強く「ぶわ〜ん」と動きます。回転部ベアリングからの異音もありません。古いクルマはブロワーファンからの異音が心配ですから、まずは安心です。モーター部分上のメクラ蓋は、元々は電圧ドロップ用レジスター(ファン速度調整用の電気抵抗)用だと思います。

さて、車体エンジンルーム後部に目を転じればぽっかり巨大穴が出現。室内が丸見えです。


このままではクルマが動かせませんから、はやいとこ装着したいです。

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